真宗寺院 西坊本堂
真宗寺院 西坊本堂
展示会「宗教建築の風景…Part X…」でのコンセプトフレーズ断片より・・・
地域性に根ざした宗教建築の風景とは・・・・
そして、その空間とは何か・・・・
おしなべて闇の空間・・・・そして光の存在
土のにおいを含んだ風。
すり抜ける風を写しこむ鋭い水面の意識
模索・・・・そして試み・・・・
コンクリート、鉄骨,和紙、木、金属箔 … 素材をとおして
… 宗教空間としての昇華への試み …
天文元辰年(1532年)真宗寺院として、270年の永きにわたり護持されて、今日に至ってきた伝統と精神性を後世継ぐ為の象徴として、旧本堂より新本堂へ、構造材が… 造作材が…
… そして彫刻を施された役物が慎重に配された。
往時の俤を永く残し、かつ現代の念仏求法の場にふさわしい“道場の提案“
闇の空間に・こぼれる光、すり抜ける風・を原風景としての …
… 場“のありかたの模索 …
… この丸亀 垂水の風土を感じつつ …
・・・・・
浄土真宗寺院の木堂である。宗教空間を、指定された鉄骨という素材でいかに醸成させるかというテーマのもと、キーワードとして「意識の‟場”」、「影の結界」をイメージしました。
構成としては浮かせた本堂の大屋根(本葺瓦)とそれを支える現しの組合せH鋼(グラファイト仕上)、そして内外壁の打放コンクリート壁は仕切りのみの扱いです。
外壁と大屋根との取合い(スリット)は影(闇)による浮遊感を考え、内部の内陣のしつらえは、コンクリート打放のシリンダーによる求心性を意識しています。
各部のディテールは伝統様式(精神的な)の追求表現を、結界の処理と併せて考えています。